大正期の学問と芸術
表記について
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概要
社会主義は、第一次世界大戦中のロシア革命を経て、日本における影響力を強めていました。新中間層の登場の一方、低所得者は依然として大数を占め、社会主義は彼らの訴えと結びつきました。普通選挙の実現や労働者の権利獲得、女性蔑視の反対などを訴える運動を推し進めさせ、また、プロレタリア文学を築き上げさせました。学問
マルクス主義の影響
使役する側「資本家」と使役される側「労働者」という二極化を打破し、真の平等を目指すという社会主義の一理論を、マルクス主義といいます。
マルクス主義は、知識人の間に広まり、学問の研究法にも影響を与えました。
1917年、マルクス主義に影響された河上肇が、経済評論『貧乏物語』で貧乏廃絶を訴え、多くの読者を獲得しました。

マルクス

河上肇
昭和初期、マルクス主義の論者が次の2派に分かれ、マルクス主義による日本の現状分析と革命の手立てを議論しました。
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講座派
当面の課題は真の民主主義の実現論者は分析の報告書『日本資本主義発達史講座』の編集者野呂栄太郎ら
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労農派
当面の課題は労働者・農民による革命の実行論者は『労農』の執筆者
諸学問
人文科学
西田幾多郎
『善の研究』で独創的な哲学を展開
津田左右吉
『古事記』『日本書紀』を科学的に分析し、『神代史の研究』(後に発禁処分)を著述
柳田国男
民間伝承の調査・研究を通じて、無名の民衆「常民」の生活史を解明する民俗学を確立
和辻哲郎
『古寺巡礼』で仏教美術に、『風土』で日本思想に言及

津田左右吉

柳田国男

和辻哲郎
自然科学
野口英世
梅毒スピロヘータの培養に成功、また、黄熱病を研究
本多光太郎
KS磁石鋼を発明
理化学研究所
国家・財閥の出資で設立された物理・化学の研究所後に理研コンツェルンを形成した新興財閥の一つ

野口英世
文学
反自然主義文学
高踏こうとう派
対象から一歩離れ、高所から眺める一派夏目漱石の『こころ』『明暗』、森鷗外の『阿部一族』

夏目漱石

森鷗外
耽美派
官能的・享楽的な美の創造を目指す一派永井荷風の『腕くらべ』、谷崎潤一郎の『刺青』『痴人の愛』
白樺派
雑誌『白樺』を中心に、個人主義・人道主義を尊重する一派武者小路実篤の『その妹』『人間万歳』、有島武郎の『カインの末裔』『或る女』、志賀直哉の『和解』『暗夜行路』
新思潮派
現実を新視点から見直す一派芥川龍之介の『羅生門』『鼻』『河童(かっぱ)』、菊池寛の『父帰る』『恩讐の彼方に』

芥川龍之介
プロレタリア文学
プロレタリア文学
社会主義の立場から労働者の姿を描く作品で、機関誌は『種蒔く人』『戦旗』など
徳永直の『太陽のない街』、小林多喜二の『蟹工船』

大衆文学
大衆雑誌『キング』などに掲載された作品
中里介山の『大菩薩峠』、吉川英治『宮本武蔵』、大佛次郎の『鞍馬天狗』
1930年頃より、江戸川乱歩の探偵小説も大衆文学扱い
芸術
演劇
小山内薫・土方与志が創設した築地小劇場は、西洋近代劇新劇の中心拠点となりました。
女優松井須磨子や「蝶々夫人」に出演した歌手三浦環が活躍
音楽
山田耕筰が、日本で最初の交響楽団を創設し、作曲・指揮で活躍しました。

山田耕筰
美術
1907年に始まる文部省美術展覧会(文展)は、以降も回を重ねました。
一方、文展を嫌う梅原竜三郎・安井曽太郎らは、二科会に参加して活動しました。
画家と代表作
横山大観たいかん
『生々流転』日本美術院再興

『生々流転』
安井曽太郎
『金蓉』

『金蓉』
岸田劉生りゅうせい
『麗子微笑』

『麗子微笑』
梅原竜三郎
『紫禁城』

『紫禁城』
建築
辰野金吾
東京駅の設計

東京駅
