民衆と税制度

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概要
律令によって、民衆の管理方法や税制度も定まりました。税制度は非常に細かく、身分・年齢・性別で負担量が異なります。平安時代の理解のために、①民衆が田地を欲したこと②出挙が一番重い税であること、以上2点をおさえる必要があります。また、受験に関しては、様々な情報から税の負担量を算出できることが求められます。

律令のなかの民衆

民衆の管理

複数の家族を成員25人程度にまとめて、という単位を編成しました。
民衆はいずれかの戸に所属する形で国家に管理されました。
50戸で里長が管轄する行政区分「(後にごう と改称)」を編成
戸の詳細な情報は、2種類の文書にまとめられました。
  • 戸籍
    6年に1度作成され、戸の構成員の名・年齢・性別を記載
    6年ごとの班田収授の対象者を一目で把握可能
  • 計帳
    毎年作成され、戸籍の情報に加えてホクロなど身体的特徴も記載
    年齢(20歳以上か未満かなど)で負担量が変わる税を把握可能

民衆の尊卑

民衆の身分は良民賤民に二分されました。
賤民は官有の陵戸りょうこ・官戸・公奴婢 くぬひ」と私有の家人けにん・私奴婢」に分かれ、まとめて五色の賤ごしきのせんとも総称されました。
良民
貴族を含む官人も該当しますが、彼らは一般民衆と異なり税負担なし

田地に関する決まりごと

長さと面積の単位

長さ

ちょう=60(=現在の約109m)

面積

たん=10360歩(=現在の約11.3a)
1町=10段、1=36町
田地に関する単位

条里制

碁盤状の田地で、東西の列を「1条、2条、3条…」、南北の列を「1里、2里、3里…」と数えます。
すると、特定の田地の位置を「○条×里」と示せます。
このような田地の位置管理を条里制と呼びます。
条坊制
条坊制は、碁盤状の京(藤原京など)で使用南北の列を「1坊、2坊、3坊…」と数え、特定の区画の位置を「○条×坊」と表示
条里制

税制度の様相

田地の配給

班田収授法に従い、一定の田地口分田 が班給・収公されました。
  • 班給:6年ごとの戸籍作成時、6以上の男女を対象
  • 収公:6年ごとの戸籍作成時、班給された者で既に死去している者を対象

男性→2段(720歩) 女性→男性の2/3(480歩=1段120歩) 家人・私奴婢の男性→良民男性の1/3(240歩) 家人・私奴婢の女性→良民女性の1/3(160歩)

口分田を班給した残りの田地を乗田と呼び、期限・利子付きで貸し出し(賃租ちんそ
田地の種類には、大臣などに支給される職田 しきでん(不輸租田の一種)や、 五位以上の位階者に与えられる位田(輸租田の一種)などが存在

税の種類

税 正丁(21~60歳の男) 次丁(老丁)(61~65歳の男) 少丁(中男)(17~20歳の男) 備考

調

郷土の特産を一定量

正丁の1/2

正丁の1/4

中央へ納入 京へ運ぶ運脚の負担は正丁 食料自弁

京で労役(歳役)10日、または、布2丈6尺

正丁の1/2

なし

雑徭

年間最大60日の労役(国の土木工事など)

正丁の1/2

正丁の1/4

男女問わず、口分田1段につき稲2束2把わ (収獲の3%相当)

地方へ納入 中央へ一部納入

兵役

正丁3人から1人徴収され、諸国の軍団に所属 軍団内から選抜され、衛士えじ (京警備)を1年間または防人さきもり (九州警備)を3年間勤務

慣例で防人は東国の者から選抜 武器・食料自弁

出挙

国府の財源確保に稲や粟を貸付け、利息5割での納入を要求

最も重い税

義倉

粟などを凶作に備えて貯蓄

1丈=10尺(約3m)、1束=10把(1把は片手で握れる稲の量)
それぞれの税のゆくえ
それほど重くない「租」の負担
一番重い税「出挙」の仕組み